令和6年度 寺岡記念 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - - 12 13 44 76 129 366 536 339
・2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者のうち、急性期(一般)病棟に1回以上入院された患者数で集計しています。自費診療、労災・自賠など医科保険以外の保険使用の方は対象外です。
・総数1,522名中70歳以上が1,241名と約81.5%を占め、そのうち80歳以上が875名と全体の約57.5%を占め、高齢化傾向が続いています。また90歳以上の超高齢者も約22.3%と昨年度を超えています。
※患者数が10件未満の場合には、0件を含めて「-」と表記しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置2なし 104 55.07 20.78 0.07% 86.6
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置2なし 69 39.88 16.40 0.00% 87.6
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 56 41.04 13.66 0.00% 85.0
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置1なし 手術・処置2なし 重症度他の病院・診療所の病棟からの転院以外 40 35.65 17.33 0.20% 88.3
100380xxxxxxxx 体液量減少症 35 28.74 10.26 0.20% 83.2
・病名と、行われた医療行為・病態などの組み合わせにより、患者さんの状態は様々に分類されます。この表は内科の入院患者の診断群分類のうち上位5つを挙げたものです。
・高齢化が更に著明となり、それに伴う嚥下機能の低下や免疫能の低下を基盤として、誤嚥性肺炎が1位となり、細菌性肺炎が続きます。高齢者の感染症として次に多くみられる尿路感染症が3位、心機能の低下によるうっ血性心不全が4位となり、脱水症が5位になっています。
※当院は一般病棟だけでなく、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、慢性期病棟を併設しており。急性期治療後のフォローもトータルに実施しています。平均在院日数が全国平均より長くなっているのはこのためです。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 19 7.68 4.54 0.00% 72.4
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 16 46.88 19.16 0.07% 80.7
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置1なし - - 12.98 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置2なし - - 20.78 - -
160800xx99xxx1 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 重症度他の病院・診療所の病棟からの転院 - - 21.19 - -
・病名と医療行為などの組み合わせにより分類された患者さんのうち、外科入院患者の診断群分類の上位5つを挙げたものです。
・鼠径ヘルニアの患者さんが多くなっており、年々増加傾向です。
・当院外科では転倒による外傷にも対応しており、肋骨骨折のほか圧迫骨折や手術にならない大腿骨骨折なども多くなっています。
・高齢化に伴い他施設や在宅で生じた褥瘡患者の治療も増えています。
・DPCコード別での表記なので上位に入りませんが、大腸癌の手術や胆嚢炎の治療も実施しています。
※当院は一般病棟だけでなく、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、慢性期病棟を併設しております。急性期治療後のフォローもトータルに実施しています。平均在院日数が全国平均より長くなっているのはこのためです。
※総合診療科医師が外科に所属しているため、外科疾患以外も含まれています。
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置24あり 副傷病名なし 91 45.99 16.89 0.26% 78.1
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置2なし 副傷病名なし 42 27.57 7.99 0.07% 77.3
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置2なし 副傷病名なし 33 17.55 9.83 0.20% 77.5
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置1なし 手術・処置2なし 副傷病名なし 32 79.88 18.68 0.07% 75.8
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 30 6.80 4.67 0.00% 73.6
・病名と行われた医療行為、病態などの組み合わせにより、様々に分類された脳神経外科の入院患者の診断群分類のうち上位5つを挙げたものです。
・全国統計でも脳血管障害のうち約60%は脳梗塞ですが、高齢化率の高いこの地域でも脳梗塞の患者さんが多くなっています。同時にまた、高齢者の転倒、転落による頭部外傷の件数も多くなっています。その結果としての慢性硬膜下血腫の手術例も増えて、今年度は24件実施しています。
・脳血管障害を原因とする高齢者の症候性てんかんも年々増加しています。
・DPCコード順での表記では上位に入りませんが、脳腫瘍の治療や脳動脈瘤クリッピング術も実施しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 10 53.5 83.3 0.20% 83.3
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 - - 73.8 - -
160780xx97xx1x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 副傷病名あり - - 84.0 - -
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等 - - 80.0 - -
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 80.5 - -
・病名と行われた医療行為などの組み合わせにより、様々な状態の患者さんを分類するものです。整形外科の入院患者の診断群分類のうち上位5つを挙げたものです。
・当院は一般病棟だけでなく、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、慢性期病棟を併設しております。急性期治療後のフォローもトータルに実施しています。 
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 23 20.9 13.7 0.20% 83.3
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置1あり - - 2.4 - -
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置2なし - - 6.8 - -
11013xxx97xxxx 下部尿路疾患 その他の手術あり - - 10.7 - -
130100xxxxx40x 播種性血管内凝固症候群 手術・処置24あり 副傷病名なし - - 25.3 - -
・病名と、行われた医療行為などの組み合わせにより、様々な状態の患者さんを分類するものです。泌尿器科の入院患者の診断群分類のうち上位5つを挙げたものです。高齢、寝たきりで尿路感染による発熱患者さんが多いのが特徴です。
※当院は一般病棟だけでなく、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、慢性期病棟を併設しております。急性期治療後のフォローもトータルに実施しています。平均在院日数が全国平均より長くなっているのはこのためです。
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 第8版
大腸癌 - - - - - 17 1 第8版
乳癌 - - - - - - 1 第8版
肺癌 - - - - - - 1 第8版
肝癌 - - - - - - 1 第8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・当院は慢性期病棟を有しており、終末期医療にも対応しています。他院の初回治療終了後に紹介され、転院された患者さんや、当院での入院患者さんで終末期を迎えた方やそのご家族の意志を尊重し、身体的苦痛や精神的苦痛などを緩和・軽減する治療やケアを、胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の患者さんを中心に行っております。
また、積極的な治療としては、胃がんや大腸がん等に対する手術も実施しています。
※「再発」の項目は、自施設・他施設を問わず、初回治療が完了した後に自施設にて患者さんを診療した場合や、治療したがんが局所再発・再燃、または新たな遠隔転移をきたして入院された場合の件数です。
※患者数が10件未満の場合には、0件を含めて「-」と表記しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 66 32.7 83.5
重症 17 98.2 85.0
超重症 - - -
不明 - - -
・市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことです。院内での発生は含みません。重症度は、A-DROPスコアによる分類で、「年齢、脱水症状の有無、呼吸(血液中の酸素濃度)、意識障害、血圧」の5項目の該当数により判定しています。0項目が軽症、1~2項目が中等症、3項目が重症、4~5項目が超重症となります。
・軽症の多くは若年の肺炎ですが、A-DROPの1項目以上の該当はすべての項目で80歳台を超えて、市中肺炎であっても高齢者が多くなっています。また一般に、患者さんの平均在院日数は、「重症」の場合が最も長くなっています。
・誤嚥の要素も多いため、再発しやすく在院日数の延びる一因になっています。
※患者数が10件未満の場合には、0件を含めて「-」と表記しております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 162 55.76 80.6 0.70%
その他 21 91.19 81.1 0.06%
・高齢化を反映して脳梗塞関連疾患が著増しています。当院の脳梗塞患者さんの89%は発症3日以内に来院されています。3日以内に受診できなかった患者さんの在院日数が長くなる傾向があります。
・早期診断、早期治療開始、早期リハビリとともに、急性期から回復期リハビリテーション病棟への円滑な移行を実現しています。これにより発症後のADL(日常生活動作)障害の軽減が認められます。
・このように、当院では急性期病棟だけでなく回復期リハビリテーションを担う病棟を有しており、急性期から回復期、在宅まで一貫した総合的な脳梗塞治療管理を行っております。また、他院からも回復期リハビリーションの適応がある患者さんを積極的に受入れています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 13 2.0 1.8 0.00% 71.9
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
・内科入院で手術的処置となった、件数の多い術式順に患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。輸血関連、創傷処理、皮膚切開、非観血的手術、徒手整復術、軽微な手術などは除外してあります。
・内視鏡的大腸ポリープ切除術が最も多く、当院の特色である透析患者が多いため、内シャント設置術や、経皮的シャント拡張術・血栓除去術が多く行われています。次いで、内視鏡的消化管止血術が多くなっています。
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 13 3.5 8.2 0.0% 72.6
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) - - - - -
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む)<内視鏡下> - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
・外科の主要手術別患者数の上位5位までを記載しています。創傷処理、皮膚切開、非観血的手術、徒手整復術、軽微な手術などは挙げておりません
・診断群分類と同様、鼠径ヘルニアが上位を占めています。
・低侵襲手術として、上記ヘルニア手術の他、大腸癌や胆嚢炎、イレウスなどに対しても腹腔鏡下手術を主体に行っています。
・下肢静脈瘤の治療も、肢への負担の少ないカテーテル治療(血管内焼却術)を実施しています。
・寝たきり患者さんへの胃瘻造設や、透析患者さんのシャントの治療も行っています。
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 24 1.0 22.5 0.1% 81.1
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術を含む)<内視鏡下> - - - - -
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
・脳神経外科の手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。輸血関連、創傷処理、皮膚切開、非観血的手術、徒手整復術、軽微な手術などは挙げておりません
・高齢者の転倒、転落による頭部外傷の件数も多くなっています。その結果としての慢性硬膜下血腫の手術例も増えて、今年度は24件実施しています。また、頭蓋内腫瘍摘出術も実施しています。
・低侵襲手術を心がけており、脳出血に対しては内視鏡下血腫除去術、頚動脈狭窄に対しては頚動脈ステント留置術、くも膜下出血に対しては脳血管内手術などを積極的に行っています。
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕)<内固定を行なう> - - - - -
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) - - - - -
K0461 大腿骨観血的整復固定術 - - - - -
K0731 関節内骨折観血的手術(肘) - - - - -
K0732 関節内骨折観血的手術(手) - - - - -
・整形外科の手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。輸血関連、創傷処理、皮膚切開、非観血的手術、徒手整復術、軽微な手術などは挙げておりません。
 
※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術,経尿道的尿管ステント抜去術 - - - - -
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) - - - - -
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) - - - - -
K800-2 経尿道的電気凝固術 - - - - -
K830 精巣摘出術 - - - - -
・泌尿器科の手術件数の多い順に5術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢を示しています。輸血関連、創傷処理、皮膚切開、非観血的手術、徒手整復術、軽微な手術などは除外してあります。

※患者数が10件未満の場合には、「-」と表記しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
・項目中、「同じ」とは入院の契機となった傷病名と、入院中の主な治療目的である傷病名が同じ場合です。また、「異なる」とは、それが違う場合をいいます。言い換えれば、上記傷病名が原因で入院になった場合は「同じ」の分類で、入院途中の経過で上記傷病名を発症した場合が「異なる」の分類になります。
・入院契機(原因)と入院中の主な治療内容が「同じ」である、敗血症の状態で入院される患者さんの発生率が多くなっています。患者さんの高齢化に伴い、重症の肺炎が増加し、特に尿路感染症や深部感染症などは、初発症状が不定で発見しにくい傾向があり、施設や診療所などから搬送される患者の入院時の症状が、敗血症性ショックであることも希ではありません。この傾向は地域より多くの高齢の重症患者を引き受けることが必要とされる当院では避けがたいことです。
・播種性血管内凝固症候群(DIC)については、入院期間中に臨床経過や検査データからDICと診断される患者さんが発生していますが、診断群分類(DPC)選択・決定のルール上、入院期間の主要な治療目的がDICでないとそれを選択できない決まりになっています。前述のとおり、当院は急性期、回復期、慢性期病棟を持つため、経過中のある期間でDICの状態ではあっても、全入院期間からみると、診断群分類(DPC)がDICにはならないため、主病名としての播種性血管内凝固症候群(DIC)の症例数は少なくなっています。
※患者数が10件未満の場合には、0件を含めて「-」と表記しております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
56 30 53.57%
肺血栓塞栓症とは、血栓などが肺の血管内に流れ込んで血管が詰まってしまう病気で、生命に危険が及ぶこともあります。
当院では、肺血栓塞栓症を発症する危険性が高い患者さんに対して、予防を目的として必要な医学管理(機器又は材料、薬剤の使用)を、可能な限り実施しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1274 929 72.92%
血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セットで行うことが推奨されています。このことから血液培養2セット実施率は診療プロセスが適切に構築・実施されているかを評価しています。当院の実施率は72.9%ですが、高齢であるなどの理由から血管アクセスが困難で、複数セット採取が難しい患者さまが多いことが影響しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
100 85 85.0%
広域スペクトル抗菌薬は広範囲に効果のある反面、薬剤耐性菌を発生させやすいため、使用を必要最低限にする必要があります。そのためには、細菌培養検査で最も効果のある抗菌薬を調べることが不可欠であり、広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率を算出し、抗菌薬が適正に使用されているかを評価しています。当院の実施率は85%と全ての症例に対しては行われていませんが、同一感染症に対して繰り返し投与される場合などにおいては実施されていないケースがあります。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
79832 142 0.18%
入院患者の平均年齢が80歳を超える当院において、入院中の転倒・転落件数はやや増加傾向となっています。その誘因として考えられるのは、認知症ケア委員会の「身体抑制軽減」に向けた活動が活発になったことも関連していると考えます。転倒・転落リスクの予見、対応を、今後も個別性を重視し多職種で検討していきます。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -
転倒・転落にかかわるレベル3bは、大腿骨頚部・転子部骨折などでした。転倒・転落が発生しても重症事象につながらないよう、ハード面の整備を行っています。
転倒・転落については発生リスクの把握、対応をタイムリーに実践していき、今後とも多職種で検討して、対応を具体的にしていきます。
※発生件数が10件未満なので、「-」と表記しております。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
26 21 80.77
術後感染症予防のための抗菌薬投与においてはエビデンスに基づき、医師の指示で投与を行っています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
78896 41 0.05%
高齢の入院患者、要介護の患者が多い中で、2023年度入院患者のベッドに使用するマットを、体圧分散マットに変更した。皮膚・排泄ケア認定看護師を中心に、褥瘡対策チームの推進により多職種での意見交換を行い予防策を実施。発見したら早期介入を行うことで悪化防止を図り、治癒率向上に向けた取り組みを行っています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
1816 1621 89.3
入院時には、医師、看護師、薬剤師、栄養士で作成する栄養アセスメント、栄養管理計画書に基づき、早期に介入が行われています。また、NST活動においても、栄養低下患者を抽出し介入を行うことにより、改善に向けての検討をしています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
79832 7343 9.2%
令和6年診療報酬改訂において、「身体拘束の最小化への取り組み」が重要となりました。認知症ケア委員を中心に、患者の尊厳を守ることを念頭に「抑制しない」対応に取り組んでいます。部署の機能により、実施率も、バラツキはあるが全体的の低下傾向にあり、今後も更に低下を目指したいと考えています。
更新履歴
2025.9.24
初版